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寄与分が認められるかもしれません。寄与分とは何ですか? [遺産分割協議]

寄与分とは

被相続人が亡くなったときは、相続人らが被相続人の遺産について遺産分割協議を行います。

遺産について、誰が何をどのくらい取得するのかを相続人全員で話し合って決めるのです。

仮に遺言書があったとしても、相続人全員が合意すれば遺言書の内容と違う内容で分割してもかまいません。

寄与分というのはこの遺産分割協議のときに、しばしば主張されるものなのです。

寄与分は簡単に言うと、相続人の中で「私は被相続人の面倒をよくみてきた。それがあったから遺産も減ることがなかったのだから、私にはほかの人よりも多く取り分がある」
このような主張です。

法律的には「寄与分」の主張と理解されます。

寄与分共同相続人のうち被相続人の財産の維持又は増加について特別に寄与した者については、法定相続分の他に寄与分が認められます。

寄与分については、原則として相続人同士が協議をして決めます。
「いろいろ面倒を見てくれたから少し多く遺産を分けよう」という感じのものです。

もしも、協議をしても話がまとまらないときや、そもそも全く協議ができないときには、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。裁判所で決めてもらう手続きです。
寄与分を定める処分調停事件として申し立てをします。

調停手続では、調停委員が当事者から事情を聴き、資料を提出してもらい、合意ができるように話し合いを進めます。
話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には、審判手続が開始されます。
審判で寄与分を決めることとなります。
このときは同時に遺産分割審判の申立てをする必要があります。
寄与分を定める調停だけ進めることは法律上認められていないからです。



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寄与分が認められる場合

被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした
といえるならばその者には寄与分が認められます。

どのような事情があれば寄与分が認めらるのかは、個々の事案によって異なります。
簡単に認められるものではないというのが実務感覚ですが、詳しくは弁護士にご相談ください。
タグ:寄与分
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遺産分割協議の対象となる遺産の確定 [遺産分割協議]

遺産分割協議を行うときには、どの遺産を分割するのかを明確にすることが必要です。すべての遺産をピックアップして特定しなければなりません。もちろんあまり価値のない動産(日常生活での身の回り品等)はいちいち取り上げないということも考えられますが、少なくともめぼしい財産はすべてピックアップしましょう。

通常考えられる遺産は次のようなものでしょう。
①不動産
②動産
③預貯金
④有価証券
⑤債権
⑥負債

順番説明していきまする
【不動産】
不動産は登記簿謄本、固定資産評価証明書をとります。
登記簿謄本は法務局でとります。固定資産評価証明書は市町村役場でとります。
そのほか名寄帳、公図をとることもあります。
不動産の価格に関しては固定資産評価額、路線価、公示価格、不動産取引価格などを参考にします。
だいたい、どこにどのような不動産が存在しているかは法定相続人であればわかるとは思いますが、
わからないものがありそうなときは自宅にある書類、名寄帳、固定資産納付書を駆使して判明させましょう。
【動産】
だいたいの動産は被相続人の身の回りにあるのでわかると思うのですが、例えば知人・友人・親族に預けている場合や貸金庫に保管している場合もあります。
心当たりのところには全て問い合わせをしましょう。
【預貯金】
遺産分割協議の対象として扱うことも多いので、確実に調べた方が良いでしょう。
残されている預金通帳を確認することが先決です。
判明しないものについては被相続人の生活圏にある銀行の支店すべてを調査するべきでしょう。
インターネット専業銀行もありますのでそのようなところに口座が存在する可能性があれば調査の対象に含めましょう。
【有価証券】
よほどのことがない限りは必ず本人名義で取引をしているはずです。入出金に関しては銀行の預金口座を介していることもありますのでよく調べましょう。自宅に届いてくる明細書、配当関係、株主総会関係の書類があれば証券会社に確認しましょう。
【債権】
いろいろな債権がありますが、私人間での金銭の貸し借りによる貸金債権は存在がわかりにくいかもしれません。金銭の貸し借りの契約書が残されていればそれをもとに調査します。
また貸金返済を銀行振り込みで受けているならば通帳に記帳されているので確認してみましょう。
被相続人としてはこのような貸金債権についてはきちんと記録を残して相続人がわかるようにしておくべきでしょう。
【債務】
借り入れを示す明細書、契約書、その他書類があれば内容を確認しましょう。
信用情報登録機関(CIC、JICC等)に相続人が問い合わせることは可能です。問い合わせて確実にしておくほうが良いかもしれません。
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遺産分割協議の当事者の確定 [遺産分割協議]

遺産分割協議は相続人が全員参加しなれればなりません。
1人でも欠けると遺産分割協議は無効になります。

まずやることは、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取り寄せることです。
これにより被相続人の法定相続人を漏れなく覚知することかできます。
戸籍は本籍地の役所から取り寄せます。郵便で請求することもできます。
わかりやすいように「相続関係図」を作るとよいです。
配偶者と子だけという相続人の範囲ならばこのような煩雑な調査はいらないかもしれませんが、戸籍をすべて取り寄せるのが原則だと思ってください。

こうして相続人が確定したら、連絡を取ることになります。
所在が分からないからといって排除してはいけません。一度も面識がないからとか、連絡とるのが面倒だからといって排除してはいけません。所在不明者も極力探し出さなければなりません。どうしても所在が判明しないときは不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てます。この財産管理人が遺産分割協議に参加することとなります。

相続人の中に未成年者とその親権者がいる場合には、この両者は利益相反関係にたちます。親権者が未成年者の法定代理人として遺産分割協議を進めることは認められません。
例えば夫が亡くなった場合に妻と未成年の子が相続人となるケースは珍しくないでしょう。
この場合は未成年者に「特別代理人」を選任するように家庭裁判所に申し立てをします。特別代理人は例えば親戚のおじさんやおばさん、祖父や祖母といった法定相続人ではない親族などでもよいのです。候補者として申し立ての際に明示すると家庭裁判所が適任かどうか判断します。

あとは意思能力に問題がありそうな相続人は遺産分割協議に参加しても効力に影響が生じかねないので慎重を期す必要があります。特に事理弁識能力を欠く常況にある者は参加しても無効になります。
この場合は成年後見開始の審判を申し立てます。就任した成年後見人が遺産分割協議に参加することとなります。

相続放棄をしている者がいないか、包括受遺者がいないか、相続分が譲渡されていないかも確認する必要があります。
相続放棄をしたら最初から相続人ではなかったこととなりますので遺産分割協議には加わりません。
包括受遺者や相続分の譲受人は遺産分割協議に参加します。
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遺産分割協議の流れ [遺産分割協議]

遺産分割協議の流れを説明したいと思います。

まず最初に遺言書があるか確認する。 もし遺言書があれば相続財産の分割方法は遺言書に記載されている可能性があります。分割方法の指定、相続分の指定、遺贈が記載されいればそれに従った分割がなされるのが原則です。遺産分割協議で決めるということにはならないのが基本です。

②遺言書がない場合には遺産分割協議が必要になります。
相続人は誰か?遺産はどれか?を確定します。
遺産分割協議は相続人が全員参加して、遺産の具体的配分を決める作業です。
したがって相続人を全員特定し、対象となる遺産を全て特定することが不可欠となります。
漏れた遺産には遺産分割協議の効力が及びません。
全員参加していない遺産分割協議は無効です。

③次に遺産の価額を評価することも必要になります。
やはり価額には関心を持ちますので価額を把握しておかないときちんとした協議にはならないと思います。実際の価額と認識した価額に違いがあると後々問題化しかねません。
客観的な価額を出すようにしましょう。

前提としてこれらを踏まえて具体的な協議に進んでいきます。
相続人の確定、遺産の確定、遺産の評価については次回以降に説明します。




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遺産分割協議 [遺産分割協議]

相続が開始すると相続財産は相続人らが取得することになります。
ただし、この場合の「取得」は共有状態を意味します。
相続人が1人であれば、そのひとりがすべての財産を単独で取得することになります。単独で取得するならば問題はありません。
相続人が複数の場合には、その複数の相続人が相続財産すべてについて法定相続分に応じて各相続人が遺産共有する状態になります。
遺産共有状態はそのままにしていても不都合や支障がなければそれでもよいのですが、普通は支障があります。
例えば相続財産が不動産であれば、相続人のうちの誰かが使用する場合、第三者に賃貸する場合、さらには売却処分する場合など全員の共有のままだと権利関係が錯綜します。迅速な管理、処分がかなり難しくなります。すべての場面で相続人間にあらたな火種を残しかねません。
また銀行預金の場合も本来であれば相続と同時に預金債権は当然に分割されて各相続人に帰属するのですが銀行実務では解約や払い戻しには遺産分割協議の成立を要求してくる場合がほとんどです。
スムースに被相続人名義の預金口座から払い戻しや解約をするためには遺産分割を早急に成立させる方が良いとも言えます。

財産は有効利用できるようにするべきであり、そのためには各相続人間で誰が何を取得するのか具体的に決めて分配することが必要になります。
各相続人が具体的にどの財産を取得するかは、法律では相続人全員で話し合って決めることになっています。これを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議は必ずしなければならないとは特に法律でもきめられていません。遺産分割協議が行われずに何年も放置されていて、場合によっては先代、先先代の名義のままになっている不動産も見受けられます。それら多くの場合が不動産自体も有効活用されずに放置されているケースがほとんどです。
相続人の方々にとっては相続財産が共有のままだとどこかすっきりした気持ちにはなれないと思います。遺産分割協議が成立して誰にどの財産を具体的に取得するか決めることができてようやく全部の相続手続きが終了したといっても過言ではないでしょう。
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遺留分が侵害されているか知るためには

自分の遺留分が侵害されているかどうか知るためには、まず遺留分の算定の基礎となる財産を確定し、その財産の価額を評価し、それに自分の遺留分割合を掛けて、遺留分として自分に保障されている具体的な価額を出すことが必要です。
遺留分が侵害されているというのはこの保障されている部分が満足されていない状態のことを言います。

遺留分の算定の基礎となる財産
①相続開始時に被相続人が持っていた財産の価額+②贈与した財産-③債務です。(民法1029条)
わかりにくいのは②贈与した財産を加算しているところでしょう。
これは民法で定められています。
加算される贈与は、
相続開始前の1年前以内に贈与されたもの
当事者双方が遺留分権利者を害することを知ってなした贈与
です(民法1030条)。
さらに
不相当な対価をもってなした有償行為も贈与とみなされます(民法1039条)。例えば、時価が1000万円するものを100万円で売ったときには不相当な対価をもってなした有償行為になります。これは実質的には贈与と変わりませんので。

遺留分が侵害されているかの具体例
被相続人、配偶者、長男、次男がいる場合を想定します。
被相続人に8000万円の預金がありました、3000万円の土地がありました、600万円の土地がありました、5000万円の株式がありました、そして1000万円の債務がありました、ただしこの債務は不担保です、と想定します。
被相続人は亡くなる六か月前に知人Aに3000万円分の株式を贈与しました、遺言書で8000万円の預金を長男に遺贈しました、亡くなる2年前に知人Bに2000万円相当の土地の贈与をしたが知人Bは遺留分権利者を害することを知らなかった、と想定します。
この場合に各人の遺留分侵害はどのようになるでしょうか。

遺留分算定の基礎となる財産は
8000万円+3000万円+600万円+5000万円-1000万円=1億5600万円 です。知人Bへの2000万円贈与は加算されません。
遺留分の総体は
1億5600万円×1/2=7800万円
個別的遺留分は
配偶者 7800万円×1/2=3900万円
次男  7800万円×1/2×1/2=1950万円

遺留分侵害額は
遺留分額-純相続分額です。
これを当てはめると
配偶者 遺留分額は3900万円  純相続分は3800万円(※1)なので遺留分侵害額は100万円です。
次男  遺留分額は1950万円 純相続分は1900万円(※2)なので遺留分侵害額は50万円です。

※1 純資産額の算出
  3000+ 600 +5000=8600万円
8600×1/2(法定相続分)=4300万円
  4300-1000(債務)×1/2(法定相続分)=3800万円

※2 純資産額の算出
  3000+ 600 +5000=8600万円
8600×1/4(法定相続分)=2150万円
  2150-1000(債務)×1/4(法定相続分)=1900万円











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遺留分と遺言書作成の関係

遺留分侵害の遺言書を書いてよいか
遺言書に遺留分権利者の遺留分を侵害する内容を書いてもよいのでしょうか?
例えば、長男は自分の面倒を見てくれたけど、次男は何も面倒を見てくれなかったから、長男に全財産を渡すという内容などは典型的な遺留分侵害になります。そのように書きたくなる理由や動機は関係ありません。

結論としては、遺留分を侵害する内容の遺言書を書くことはかまわない。ただし遺留分権利者から遺留分減殺請求権を行使される可能性がある。ということになります。

なぜ遺言書を書くのでしょうか?
なぜ遺言書を書くのか原点に立ち返ってみましょう。
「争いを防ぐ」という目的が遺言書を作成する大きな目的だったと思います。
そうすると遺留分権利者の遺留分を侵害する内容の遺言書を書けば、残された相続人らはだいたいは揉めることになるのだから、敢えてそのような遺言書を作る必要性はないと思います。
遺留分減殺請求権が行使されれば結局は遺留分は守られるので、遺言書に遺留分を侵害する内容を書いても無意味であり、かえって紛争の種を残すだけで有害でもあります。

遺留分の放棄
どうしても遺留分を与えたくないというのであれば、生前に家庭裁判所で遺留分放棄する許可を得ることです。また相続開始後であれは遺留分権利者が遺留分を任意で放棄することもできます。 あるいは推定相続人の廃除という別の方法をとることでその者に相続分も遺留分も与えないという方法をとることも可能かと思います。
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遺留分減殺請求について

遺留分減殺請求権の行使方法

配偶者、子など遺留分を有する者は、その遺留分が侵害されたら遺留分減殺請求権を行使して遺留分を守ります。
遺留分減殺請求は、受遺者、受贈者に対して、遺留分減殺請求をすると内容証明で通知すれば足ります。
「〇〇の遺留分が侵害されています。よって本書面をもって遺留分減殺請求権を行使します。」という通知内容となります。

消滅時効は1年ですので短いです。時効期間を経過すると遺留分減殺請求権が消滅しますので注意が必要です。

遺留分の算定
遺留分の算定、つまり具体的にどのくらい遺留分が認められるのかはきちんと計算しなければでてきません。
遺留分算定の基礎となる被相続人の財産を確定しなければなりません。
この計算はなかなか難しいです。
計算式は、①相続開始時に被相続人が有していた財産(ここには遺贈した財産も含まれます)に②贈与した財産の価額を足し、さらに③債務全額を控除したもの、です。

計算については詳しく説明していきます。
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遺言の撤回 [遺言]

遺言の撤回
一度作成した遺言書はいつでも自由に撤回することができます。
あらたに内容を検討して遺言を作りおなすことも何回でも自由にできます。

撤回の方法
遺言の撤回は、遺言の方式で行わなければなりません。
遺言することは遺言の方式によるとしたのですから、遺言の撤回も同じ程度厳格に行わすために遺言の方式によらなければならないとしたのです。
ただ、前の遺言の内容と抵触する内容の遺言を後に作成した場合、抵触する部分は撤回したものとみなして後の遺言の内容が有効となります。常に最新の遺言書が
また、遺言者が自ら遺言内容と抵触する行動をとった場合、例えばA建物を遺贈すると遺言をしていたのにそのA建物を壊してしまったら、その抵触する部分は遺言の撤回がされたとみなします。

後遺言優先の原則
すでに遺言書が作成されて存在している場合に、あらたに別の遺言書が作成された場合は後の遺言書が優先します。
先の遺言と後の遺言で内容が抵触せずに両立するならば先の遺言も後の遺言もともに有効です。

先の遺言と後の遺言が内容に抵触し矛盾する場合は後の遺言が有効です。先の遺言は無効になります。

遺言書は自筆証書遺言でも公正証書遺言でも「日付」を必ず書きます。
日付があれば、複数の遺言書があってもその先後関係が明らかになります。

同じ日に作成された場合
どちらの遺言書が後に作成されたのかわからないときは、結局どちらの遺言が優先するかは決められません。矛盾する内容の部分は無効になります。

いくら慎重に検討して遺言書を作成しても、あとになって撤回したい、書き直したいと思うことはよくあることです。ためらわず撤回や書き直しをするべきです。




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遺留分について 遺留分侵害の遺言は無効?  [遺言]

今回は遺留分について説明します。具体的な例を挙げて説明したいと思います。

遺留分について
配偶者、子、直系尊属には遺留分という権利が保障されています。なお兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分とは遺言によっても奪うことのできない一定の相続分であり、法律上保障されているものです。
例えば、被相続人が1億2000万円の財産を持っていたとします。法定相続人は配偶者と長男、次男、長女だとします。
この場合法定相続分に従うと配偶者が1/2の6000万円、長男・次男・長女がそれぞれ1/2×1/3=1/6の2000万円ずつになります。
ここで被相続人が遺言書を作成していて、その内容が長男に1億2000万円全部を相続させるとなっていた場合、配偶者も次男も全く遺産を取得できないのでしょうか?
遺言書に従えば、配偶者も次男も長女も全く遺産を取得できないことになりますが、法律ではこの三人に遺留分が保障されていますので遺留分に相当する遺産を取得することができます。

遺留分の割合
直系尊属のみが相続人であるときは、その遺留分割合は遺産の1/3です。
その他の場合(配偶者のみ、子のみ、配偶者と子、配偶者と直系尊属、配偶者と兄弟姉妹)は遺留分割合は1/2です。

先の例でいうと、配偶者と次男と長女は全体で1/2の遺留分が保障されています。
全体の遺留分にそれぞれの法定相続分が保障されます。例でいうと配偶者は1/2、子は3人なので1/6です。
以上をもとに計算すると
配偶者は1/2×1/2=1/4、次男は1/2×1/6=1/12、長女も1/2×1/6=1/12が遺留分として保障されます。
よって配偶者は3000万円、次男は1000万円、長女も1000万円が遺留分として保障されます。

遺留分を侵害する遺言は無効?
遺留分を侵害する遺言は法律違反ですから無効です。
先の例でいうと、長男だけに全財産を相続させるという遺言は遺留分侵害する内容ですので無効です。
ただし、直ちに無効として扱うのではなく、遺留分を侵害された者から遺留分減殺請求を請求できるというように法律は定めました。
遺留分減殺請求がなされないとその遺言内容どおりに遺産が取得されます。






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取得させる 相続させる 遺贈する [遺言]

土地をAに“取得させる”
土地をAに“相続させる”
土地をAに“遺贈する”
土地をAに引き継がせることでは同じでも表現が異なります。
この表現の違いには意味があります。違いを理解した上で使い分けないと自分が意図したことと違う内容になってしまうので注意が必要です。

分割方法の指定をするときは「取得させる」と表現することが一般的です。
取得させるとした場合は、分割方法の指定と解されるので、相続人間で遺産分割協議を行って初めてAが土地の所有権を単独で取得することとなります。
「取得させる」という表現では、被相続人が死亡したらすぐにAが所有権を取得するという効果はありません。

「相続させる」と「遺贈する」は被相続人が死亡したら直ちに土地の所有権はAに移転するという効果が生じる点では同じです。
「相続させる」という表現は分割方法の指定になりますが、特に何らの行為を必要とせずに所有権が移転すると解されています(最高裁判例平成3年4月19日)。遺産分割協議も必要ありません。
「遺贈する」は文字どおり遺贈なので遺産分割協議などせずとも直ちにAに土地所有権は移転します。遺贈は被相続人が単独で行います。遺贈を受けたくないとAが考えればAは遺贈を放棄できます。その場合は土地は法定相続人が取得することとなります。
ちなみに「Aに相続させる」と記載した場合に、仮に被相続人より先にAが死亡していた場合に、Aの直系血族、つまり代襲相続人が土地を取得できるかという問題がありますが、これは特段の事情がない限り否定されています(最高裁判所平成23年2月22日)。

「相続させる」と「遺贈する」では具体的には次の違いがあります。
①「相続する」だと所有権移転登記は単独で申請できます。「遺贈する」だと法定相続人又は遺言執行者と共同申請になります。
②登記の際の登録免許税は、「相続させる」のほうが低額です。
③「相続させる」のほうは移転登記を経ていなくとも第三者に対抗できるが(最高裁判所平成14年6月10日)、「遺贈する」は対抗要件としての登記が必要です。つまり「相続させる」のほうがより安全です。

どの表現が一番良いかは一概に言えませんが、「相続させる」を用いる人が多いのが実際のところです。

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④分割方法の指定とその委託 [遺言]

「分割方法の指定」とは例えば次のようなものです。

・遺言者の所有するA土地は長男〇〇が取得する。
・遺言者の所有するB土地は次男〇〇が取得する。
・長男〇〇が取得する土地の価額が次男、三男の取得する遺産の価額を超えるときは長男〇〇は代償 金を支払うものとする。

分割方法の指定とは、相続人間の遺産分割協議において具体的に誰がどの財産を取得するかをあらかじめ被相続人が遺言で指定することです。
相続人はこの分割方法の指定を尊重して、その内容に沿った遺産分割協議で合意することが期待されます。
遺産分割協議が成立して初めて各人が財産を取得することとなります。
仮に相続人が分割方法の指定と異なった遺産分割で合意したときにはそれが有効になると解されています。

上の「代償金を支払う」というのは法定相続人がそれぞれ法定相続分を取得するように配慮したものです。例えば長男が7000万円の土地、次男が3000万円の土地、三男が2000万円の土地を取得する場合、長男が次男に1000万円の代償金、三男に2000万円の代償金を支払うこでそれぞれが4000万円分の取得となり公平になります。

遺産分割方法の指定の委託は、第三者に遺産分割の方法の指定を委託することです。 
例えば、「弁護士の〇〇に遺言者の遺産の分割の方法を指定することを委託する。」という遺言です。
“相続人の一人”に遺産分割の方法の指定を委託することは指定の公正が期待できないから無効と解されています。

上の例のように、遺産分割の方法の指定をするときには、「取得させる」と表現することが一般的かと思います。
遺言書の作成では、ほかに「相続させる」、「遺贈する」との表現を使うときもあります。

「取得させる」、「相続させる」、「遺贈する」については次回説明したいと思います。

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③相続分の指定とその委託 [遺言]

法定遺言事項として3番目に取り上げるのが「相続分の指定とその委託」です。
「相続分の指定」とは相続権のある者、つまり法定相続人について、その法定相続分とは異なる割合として指定することです。
例えば、配偶者に2分の1ではなく「3分の2」とするとかです。
相続分の指定は遺言以外ではできません。
被相続人が遺言で指定した相続分(指定相続分)は法定相続分に優先します。ただし遺留分を侵害しているときは遺留分減殺請求の対象になりえます。
法定相続人の1人だけや数人だけについて相続分を指定してもかまわないです。この場合はこれら1人又は数人の指定相続分を除いた分がその他の相続人の取り分となります。この取り分をその他の相続人らは法定相続分にしたがって取得します。


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②遺言信託 [遺言]

遺言信託とは、遺言によって信託を設定することをいいます(信託法3条2項)。
日本では「信託」が一般の人たちに広く行われいるとは言えず馴染みはうすいと思います。(信託銀行もあまり馴染みがないかもしれません。)
実際に遺言信託もあまり行われていないようです。

しかし、信託には信託でなければできないことがあります。

信託は委託者、受託者、受益者によって行われます。委託者が財産を受託者に信託し、財産の管理運用を任せる、受益者はその財産から利益を受けとる関係になります。

遺言信託の可能性はこれから広がっていくのではないかと思います。
例えば、幼い子供たちや年老いた妻を受益者として信託を設定する場合や事業承継の場合に利用することにメリットがあるといわれています。
遺言信託はその可能性、有用性を理解して具体的な利用方法についてあらためて詳しく取り上げてみたいと思います。

①遺贈について [遺言]

遺言書では、「遺贈」をすることができます。遺贈は法定遺言事項の一つです(民法964条)。遺贈には大きく分けて「包括遺贈」と「特定遺贈」があります。遺贈というのは贈与者が亡くなった時に効力を生じる贈与です。簡単に言うと、自分が亡くなった時に〇〇さんに財産をあげるという意思表示です。

包括遺贈

包括遺贈とは、全部の財産を1人に遺贈するもの(単純包括遺贈)財産全体に対する割合を指示して遺贈するもの(割合的包括遺贈)、例えば「〇〇さんに全財産の三分の一を遺贈する」というようなもの、があります。

包括遺贈をうけた者は相続人と同じ権利義務をもつこととなります。

包括遺贈を受けた者は被相続人の負債(借金や未払い金)も引き継ぎます。
これは要注意です。
もし、包括遺贈をうけたけど、負債を受け継ぎたくないと判断したら相続放棄の手続きをとらなければなりません。
これは法定相続人と全く同じです。
三か月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きを取らなければなりませんし、相続財産を処分したら単純承認したものとされて相続放棄ができなくなるなど厳しいものですので特に注意が必要です。


特定遺贈

特定遺贈とは、特定の財産を特定の人に遺贈することです
例えば「○○さんにA土地を遺贈する。△△さんに5000万円遺贈する。」というものです。
特定遺贈の場合には遺贈を受けた者は遺贈者の死亡後いつでも放棄することができます。


負担付贈与、条件付贈与、期限付贈与

例えば、「○○に対して、私の妻△△が存命する間は△△を扶養し続ける代わりに、A土地を遺贈する。」のようなものが負担付贈与です。
「○○建物に居住することを条件として○○建物を遺贈する。」、「○○会社に就職して事業を承継することを条件として△△土地建物を遺贈する。」などが条件付贈与です。
「死亡後3年間経過したら1000万円を遺贈する。」というのが期限付遺贈です。

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付言事項について [遺言]

付言事項の内容は特に制限ありません。何を書いてもかまいません。
ただ常識的な内容でないと場合によっては遺言書全体の効力に疑義が生じてしまうこともありえます。常識の範囲内であれば大丈夫です。

どのような付言事項を書くのが多いのでしょうか
・遺言書の内容がどうしてそのような内容になったのか理由や経緯を書く。
遺言の内容を決めるとき何を考えて何を重視して決めたか理由があると思います。財産を受け継ぐ人たちにその理由を伝えることで理解され、その内容を素直に受け入れてもらえることが期待できます。
法定相続人に法定相続分だけ相続させるのであれば、比較的素直に遺言内容を受け入れることができますが、もしもそうでなく特定の財産を一部の人に相続させたり、法定相続分より多くあるいは少なく相続させる内容であったり、さらに法定相続人でない者に遺贈するときには、なぜそのようにしたのか理由の説明があってもよいと思います。その一つの方法が付言事項です。
例えば、年老いた妻の老後を案じて妻に多く財産を受け継がせるという理由、自宅を売却したくないので同居していた長男に自宅の土地建物を相続させる等です。
ただし、いきなり遺言書にいろいろなことが書かれて、遺言書を通じて初めて遺言者の気持ちや考えが相続人らに伝えられても相続人は戸惑うこともあります。
理想を言えば、生前に少しずつ相続人らに自分の思いや考え方を伝えておくことも大事かと思います。

・事業承継の場合に事業の後継者に心構えを伝え、周囲の者に理解を求める内容を書く。
事業承継の場合には後継者に遺言者の個人名義の資産であっても事業に供している財産や株式を引き継がせる必要があります。必然的に後継者とそれ以外の者では相続する財産の内容に大きな違いが出てきます。その理解を周囲の者に得る必要があります。
事業用資産や株式を後継者に集中できずに複数の相続人に分散されてしまうと経営の安定性を欠きときには事業の停止につながりかねません。
事業承継問題になると付言事項だけで対応できる問題ではありませんので付言事項はあくまで補助的意味合いをもつものになります。

・家族や友人に感謝の気持ちを述べ、皆が助け合っていくことを心を込めて書く。
相続が‘’争族‘’になることを望む人はいません。最後に残すメッセージとして心を込めて力強い言葉を書いてみるのはいかがでしょうか。大げさなことを言えば身はなくなっても魂は皆の心に残る、そんな付言事項を書いてみましょう。

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遺言書に書けること [遺言]

遺言書には「誰に何をどのくらい引き継がせるか」を書くことが基本になります。例えば「妻に土地と建物を相続させる。長男に〇〇銀行の預金を相続させる。次男に現金〇〇円相続させる。」というものです。

法律では遺言書に記載できる事項は決められています。これを「法定遺言事項」といいます。「誰に何をどのくらい引き継がせるか」は法定遺言事項に含まれるものです。ですので遺言書に記載したらその効果は法的に保護されます。


法律で決められている事項以外も遺言書に記載することはできますが法的効果はありません。ただ、だからと言って記載することが全く無意味だということではありません。遺言者の気持ち、思い、考え方を伝えるために遺言書に記載することもあります。このように法的効果は与えられませんがあえて遺言書に記載する事項は「付言事項」といいます。

法定遺言事項
主な法定遺言事項には次のものがあります。
①遺贈 ※法定相続人以外に引き継がせる場合
②信託の設定
③相続分の指定とその委託 ※誰にどのくらい引き継がせるか
④特別受益者の相続分に関する指定
⑤分割方法の指定とその委託 ※誰に何を引き継がせるか
⑥分割禁止
⑦共同相続認可の担保責任指定
⑧推定相続人の排除、その取り消し
⑨認知
⑩後見人・後見監督人の指定とその委託

その他、遺言執行者の指定、祭祀主催者の指定、生命保険金受取人の変更も遺言書に記載して行うことができます。
認知や推定相続人の廃除は事実関係が単純でないため遺言で行うと亡くなった後相続人間で問題視される可能性もあります。そうであれば、できる限り遺言によらず生前に行っていたほうがベターだと思います。

法定遺言事項について詳しくは次の機会に。

付言事項
付言事項とは遺言書に記載して法的効力はない事項です。
遺言者は遺言内容を熟慮して、遺言書という形でしっかりと自らの意思を妻や子、その他お世話になった人たちに伝えるわけです。そうした思い、考えというものは法定遺言事項だけできちんと伝えきれるものではないかもしれません。そこで遺言書に併せて記載しておくのです。
なぜそのような内容の遺言書にしたのかを思いを込めて記載するのがよいでしょう。
法的効果がないからと言って付言事項を軽んじてはいけません。
それは残された人たちに伝える思い、考えでありますが、残された人たちはそれを一方的に受け取るだけです。誤解されて受け取られてしまったらそれを修正することは不可能です。
付言事項は遺言者の思い、考えを伝えるための重要な方法です。その内容次第でスムースな相続が実現することもあるし、反対に争族を引き起こしかねないこともあります。
付言事項は法定遺言事項と同じくらいかそれ以上に熟慮に熟慮を重ねることが大事です。



タグ:遺言書
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実際に遺言書を作成してみましょう② [遺言]

遺言書を作成する目的を明確にしたら具体的に作成に入って行きます。

1 法定相続人と法定相続分の確認
   法定相続人を確定することから始めます。具体的には 「親族相関図」を作成します。
  
  本 人
   |  -子
  配偶者  
  *配偶者2分の1、子2分の1

  ブログ上では上手に書けませんがこのような相関図をご覧になられたことがあるかと思います。
  これを実際に書いてみて法定相続人になる人、法定相続人にならない人は誰かを把握します。
  法定相続人とあわせて法定相続分も把握します。

  例えば具体的に言うと、「配偶者は常に法定相続人になります。子は第一順位です。仮に妻と子が二人だとしたら法定相続人は妻、子、子になります。法手相続分は2分の1、4分の1、4分の1です。」このような作業が法定相続人と法定相続分の把握の作業になります。
 
  前妻又は前夫との間の子も当然法定相続人になります。養子縁組している養子も法定相続人です。非嫡出子(籍を入れていない相手との間に生まれた子)も認知していれば法定相続人たる子です。子が先に亡くなっていたらその子(被相続人から見たら孫)も代襲しますので法定相続人です。  


2 相続財産の特定
  次におこなうことは相続財産の特定です。自分が持っている財産をすべて洗い出すことです。
  土地、建物、借地権、借家権
  現金、預金、貸金
  株式、投資信託、etc
  借金、未払い金など
  全ての財産を漏れがないように抽出してリストを作成します。
  漏れがあると遺言の対象にはならず、遺言書に記載されていない相続財産については別途遺産分割協議が必要になってしまいます。

3 何を誰にどのくらい引き継いでもらうか決めます
  遺言書の内容の中心はまさにこの部分だと言えます。
  例えば、「土地と建物は妻に相続させる」とか「預金は長男に相続させる」とかあるいは法定相続人でない者に引き継がせる場合は「現金〇〇円はAさんに遺贈する。」などを具体的に決めていくことです。
  この場合、遺留分という権利が一部の法定相続人に認められていますので、遺留分を考慮して誰に何をどのくらい引き継がせるか決めた方がよいと言えます。遺留分についてはあらためて説明したいと思います。

4 遺言書を書きます
  内容が決まったら、遺言書を実際に紙に書きます。相続財産は明確に特定して記載しましょう。不動産であれば登記簿謄本に記載してあるとおりに、預金であれば銀行名、支店、口座番号を特定して記載しましょう。

おおまかな流れは以上のような感じになります。
実際に作成するときにはいろいろ問題疑問が出てきて、内容、記載について迷うところも出てくるかと思います。
そういうときには疑問を残さないでひとつひとつ調べたり、専門家に聞いたりして確認しながら進めていくべきです。疑問を残したまま不確実な遺言書を作成してしまうことはかえってよくありません。
あとで効力が否定されないような遺言書を作成することが大事です。
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実際に遺言書を作成してみましょう [遺言]

遺言書を作成してみましょう
遺言書の種類がわかったところで実際に遺言書を作成してみましょう。
いきなり正式なものを作ろうとしないで、最初は手順を踏んで試案を作ってみるのがよいと思います。

最初にすることは?
実際に遺言書を作るとき最初にすることはなんでしょうか?
人それぞれ考え方があるでしょうが、私は「遺言書を作る目的を明確にすること」だと思っています。
作る目的を明確化するために紙に書き出してみてください。いくつでもかまいません。
書き出したら次に、その中で絶対に譲れないものはどれか、一番に優先するものはどれか自分に問いかけます。 例えば
自分がいなくなった後争いがおきないようにしたい
妻が生活に困らないようにしたい
精神的経済的に支えになってくれた人に報いたい
相続税対策のために最善のスキームを作りたい
後継者に事業を滞りなく承継させたいetc
常に目的を達するために最良の遺言書にするためにはどのような方式を選択するか?どのような内容にするか吟味しながら作りましょう?


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秘密証書遺言 [遺言]

秘密証書遺言

秘密証書遺言のイメージは自筆証書遺言と公正証書遺言を足して二で割ったような感じだと思います。
自分で遺言書の内容を書いて、それを封筒に入れて糊づけして内容が誰にもわからないように秘密にして、その封筒を公証人のところに持っていき、公証人に「遺言書が存在すること」を公に証明してもらう(公証してもらう)、このような理解で良いかと思います。
遺言書の存在は公にしても、遺言の内容は秘密にするのが秘密証書遺言の特徴てす。
方式は次のようになっています。 ・遺言者が遺言書に署名をして判を押すこと。 ・遺言者がその遺言書を封に入れて、遺言書に押印した印鑑を使って封印すること。 ・遺言者がその封書を公証人1人、証人2人の前に提出して、「自分の遺言書であること」とその「筆者の氏名・住所」を申述すること。 ・公証人がその封書が提出された日付および遺言者の申述を「封書」に記載して、これに遺言者、証人、公証人の署名押印をする。 遺言書の内容は自分で考えて書くので、公証人が内容を見たり、チェックすることはありません。 また遺言書の保管も公証役場では行いません。自分で保管しておくこととなります。 そう考えると、内容が万が一あいまいであれば解釈をめぐって後日相続人間で争いが起きる危険性は残ります。また紛失の危険もあります。封印して公証人が作成した封紙が封筒に張られているので偽造変造の危険はありません。 自筆証書遺言と違い、全文自筆で書く必要はありません。ワープロでもかまいません。誰かに書いてもらってもかまいません。ただし、署名は必ず自分で書かなくてはなりません。署名がないと無効になります。押印も必ず自分でしてください。押すのは実印にしてください。 封印するときの印鑑と遺言書に押した印鑑は同じものでなければなりません。もし違っていると遺言書は無効になります。 秘密証書遺言のメリットは何か? あまりないように思います。わざわざ公証役場に出向くのであれば、いっそのこと公正証書遺言にした方がより安心安全だと思います。 ただ、公証人のところに行く手間をいとわず、多少の費用がかかってもよいということであれば、自筆証書遺言と比較して偽造変造の危険は明らかにないし、遺言書の存在を知らせておけば遺言書の存在が気付かれないかもしれないという危険もなくなるので、自筆証書遺言よりはメリットがあるかもしれません。



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公正証書遺言のメリットとデメリット [遺言]

公正証書遺言のメリットとデメリット

デメリットは費用がかかることと手間がかかることです。費用は遺言の対象となる遺産の価額に応じて決まります。例えば遺産の価額が100万円までは5000円です。1億円までならば4万3000円が基本です。これに1万1000円の加算や用紙代の加算が生じることがあります。
あとはいろいろ揃えなければならない書類があったり、公証役場まで出向いたりと煩雑、面倒でもあります。


メリットはなんといっても安心安全です。公正証書遺言を選択する最大の理由は安心安全に尽きるといえます。
弁護士や公証人が作成に関与しますので後から無効といわれたり、実際に無効になることはまずないといってよいでしょう。
筆跡がおかしいとか無理やり書かせたのではないかと疑われることもありません。
記載された遺言内容についても意味が不明確で曖昧だということもありませんので解釈が問題となって争いになることもありません。
自筆証書遺言や秘密証書遺言とは違い家庭裁判所での検認もいらないので、遺言執行者が指定されていれば遺言内容をすぐに実行することもできます。
原本が公証役場に保管されていますので偽造や紛失の危険もありません。
公証役場で公正証書遺言が作成されたかどうかを検索してもらうことができますので、遺言者が亡くなった後に検索サービスを利用すれば公正証書遺言があるかどうか判明しますので、遺言書の存在に相続人が樹がつかないままになるという事態も防げます。

このように見てくると公正証書遺言のメリットはとても大きいと思います。確かに費用もかかり、手間もかかりますが、それを補って余りあるメリットではないかと思います。



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公正証書遺言 [遺言]

公正証書遺言
公正証書遺言は公証役場で公証人に作ってもらう遺言書です。公証役場はなじみがないかもしれませんが探していただくとお住まいの近くにもあるかと思います。

公正証書遺言の「方式」は次のようになっています。
・証人として二人以上の立ち合いが必要です。
・遺言する人が遺言の趣旨を口授します。
・公証人が口授の内容を筆記してこれを遺言者と証人に読み聞かせ又は閲覧させます。
・遺言者と証人は筆記の内容が正確であることを確認して各々が署名押印する。
公証人が作成しますのでこれらの「方式」が守られないということはまずありません。方式不備が理由で公正証書遺言が無効になることはまずないと言ってよいでしょう。
遺言の趣旨とは、遺言の大まかな内容という意味合いです。細かい詰めは公証人と相談しながら筆記してもらうことになります。口授とは口で言って伝えると言う意味合いです。

実際に公正証書遺言作る場合は次のような流れになります。
①遺言する内容を大まかに決めます。相続財産は何があるか確認して、その財産のうちどれを誰にどのくらい相続させるか、遺贈するかを決めます。
②その内容をメモします。
ここまでの段階を弁護士に相談していただくと内容的には間違いないものができます。またスムースに進むと思います。
さらに公証役場との折衝も弁護士が担当しますので、ご本人は当日に公証役場に来ていただき公証人と面談していただくだけで済みます。
③公証役場に予めアポイントをいれた日時に、遺言をするご本人と証人二人、弁護士が出向きます。
④公証役場で公証人が公正証書遺言を作成します。遺言者と証人二人は署名押印します。これで公正証書遺言の作成が完成します。遺言者には公正証書遺言の正本が渡されますので大事に保管してください。公証役場には原本が保管されます。万が一遺言者が公正証書遺言の正本を紛失毀損しても公証役場で原本が保管されていますので安心できます。

証人には、未成年者や推定相続人、受遺者、その配偶者や直系血族など一定の者はなれませんが、その他の者であれば誰でもなれます。適当な人がいない場合には弁護士にご相談ください。

公正証書遺言を作成するときに揃えておきたい書類があります。
・遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本(市町村役場でとれます。)
・相続人以外の者に遺贈するときはその者の住民票(市町村役場でとれます。)
・遺言者の印鑑登録証明書(市町村役場でとれます。)と実印
・財産の中に不動産(土地、建物、マンション等) があればふ不動産登記簿謄本と固定資産評価証明書
・預金通帳
その他必要ものは弁護士、公証人におたずねください。


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自筆証書の保管方法 [遺言]

自筆証書の保管方法
自筆証書の短所として、紛失・隠匿・毀損・変造の危険や誰にも遺言書の存在が気づかれない危険があることはご説明したとおりです。
このような危険は、遺言書の保管方法を工夫することで取り除くことができます。

保管方法について法律では特に決められていません。極端なことを言えば便せん一枚に遺言内容を書いてそのまま机の上に置いておくということもできます。もっともこれでは危険すぎますので誰も大事な遺言書をそのように保管しようとは思わないでしょう。

遺言書は書いたら封筒に入れて糊で封をするのがよいです。そして封筒には「遺言書」と書き、さらには「絶対に開封せずに、すみやかに家庭裁判所で検認手続をとること」と書いておくとよいでしょう。
その封筒は信頼できる人に預けておくか、銀行の貸金庫もしくは家に厳重な金庫があるならその中に保管しておくとよいでしょう。貸金庫や金庫の存在さえ知られていれば必ず亡くなった後に開扉されるはずです。
保管に注意すれば自筆証書の紛失・隠匿・毀損・変造が防げるでしょう。

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自筆証書遺言 [遺言]

遺言を残そうとしたら、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言のいずれによることとなります。それぞれに長所と短所があります。それらを理解したうえでどの遺言書にするか選択しましょう。
それでは順番にみていきたいと思います。まず最初に自筆証書遺言です。

<自筆証書遺言>
長所
1 簡単に作れる
2 費用がかからない
3 1人で作成できる
4 内容を秘密にしておける
5 思い立ったらすぐ作れる
短所
1 方式を間違えてもチェックしてもらえない 
2 内容に曖昧なところや解釈の余地を残すと争いのもとになりかねない
3 紛失のおそれ
4 他人が容易に隠匿、毀損、変造することができる
5 遺言書があっても遺族に気づかれないおそれ
6 検認手続が不可欠である

自筆証書遺言は文字どおり自筆で書く遺言書です。自分が書くだけなので、その意味では簡単に作れますし、ボールペンと紙さえあればよいので費用もかかりません。1人で書いて作ることができるので思い立ったらすぐに作れます。
ただし簡単に作れるだけあって守るべき方式は厳格です。次の方式は必ず守らなければなりません。
・遺言書の全文を自分の手で自筆で書くこと。

・日付を自筆で書くこと。

・氏名を自筆で書くこと。

・氏名の横もしくは下に押印すること。

ひとつでも不備があると遺言書は無効になります。つまり遺言書の効果はなく最初から遺言書が存在していないのと同じこととなります。
自筆証書遺言は自筆で書かなくてはなりません。必ず自分でペンを持って紙に書いてください。
自分の手に誰かの手を添えてもらって書いた場合は自筆ではなくなります。原則無効です。
全文を自筆で書くのですから、一部を他人が書いたら原則遺言書全てが無効です。
ワープロで書いたら自筆ではありません。録画録音も自筆ではありません。
日付も必ず自筆で書いてください。
「〇年〇月〇日」と書いてください。
例えば、「還暦を迎える日」「誕生日」という書き方をしても日にちを特定できるので有効と言われていますが、わざわざそのように書く必要もないのですからきちんと日付を書いてください。
氏名は戸籍謄本に記載されているとおりに書いてください。芸名、通称、屋号でも特定できれば有効とされていますが、無用な心配を避けるため氏名をきちんと書いてください。 
押印も三文判でよいとされていますができれば実印のほうが無難です。
用紙が複数になったときは綴じ合わせて契印するのがベストです。綴じ合わせや契印がなくても全てが一体ねものと理解できるものならば問題ないのですが、無用な心配を避けるためにはひと手間かけて綴じ合わせて契印したほうがよいです。
自筆証書遺言は簡単に作れますが、方式、筆跡、内容の点で将来予期せぬ争いが起きることもあり得ます。
保管にも注意しないと亡くなった後に遺言書があることに気がつかれなかったり、隠匿、毀損、変造されることもあり得ます。
自筆証書遺言は簡単につくれますが、細心の注意が必要にもなります。

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遺言書の種類 [遺言]

遺言書には幾つか種類があります。
代表的なものは①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言です。
他に④一般危急時遺言、⑤難船危急時遺言、⑥一般隔絶地遺言、⑦船舶隔絶地遺言がありますが、これらは特別のときのもので滅多にないことです(突然命の危険が迫っているとき、船が遭難したとき、伝染病で隔絶されているとき、船の中で隔絶されているときなどです)。

私たちが、将来争いなくスムースに相続手続が行われる目的のために遺言書を作る場合には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言のいずれかの方式のものをとることとなります。

どの方式の遺言書を作る場合でも、注意しなければいけないことは必ず法律で決められている方式どおりに作成することです。方式に間違いがありますとせっかく作っても遺言書は無効になってしまいます。

三つの遺言書について順番に見て行きたいとおもいます。
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遺言 遺言書は作ったほうがよいのでしょうか? [遺言]

「遺言書」は作ったほうが良いのでしょうか?

遺言書の書き方を解説した本が多数出版されていますので、書店でわかりやすい解説本を手に入れて自分で遺言書を作成することはそれほど難しいことではないかもしれません。最近では「終活」という言葉もあり、エンディングノートというものも広まっています。遺言書が以前よりははるかに身近になってきていることはとても良いことだと思います。
ご自分で遺言書を作成するときに留意していただきたいことがあります。
ひとつめは、遺言書を作成する目的を明確にすることです。
どうして遺言書を作るのか?その目的を明確にすることです。
ふたつめは、正しい方式で遺言書を作成することです。

例えば遺産をめぐる争いが起きないようにするため、お世話になった人に特定の遺産を引き継いでほしい、事業の発展のため、財産の管理のため・・・など人それぞれの目的があると思いますが、そこを明確にしておくとその目的に最も適した遺言内容が作れると思います。
もし目的とかけ離れた内容や方式の遺言書になってしまうと何のために遺言書を作ったのかわからなくなってしまいます。場合によってはかえって争いが起きたりして、遺言書なんか作らなければよかったとなっては目も当てられません。

正しい方式で遺言書を作成することも重要です。
法律で定められた方式を守って遺言書を作成しないと法的効果は認められません。その遺言書は無効になってしまいます。せっかく遺言書を作成しても無効になってしまっては意味がありません。
また、中途半端な方式の遺言書を作ってしまうと、つまり有効か無効か争いが起きるような遺言書を作ってしまうと「遺言書があるのだから遺言書の内容どおりにするべきだ。遺言者の意思を尊重すべきだ。」という意見と「法的に無効だから遺言書の内容は関係ない。」という意見の対立を招き、いわゆる「争族」が激化することにもなりかねません。

遺言書を作成する目的を明確にすること
正しい方式で遺言書を作成すること
この二点を注意するならば、遺言書は積極的に作成したほうがよいと思います。
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相続手続きの流れ 法定相続と遺言相続 [相続]

相続は、相続財産について「誰が」、「何を」、「いくら」そして「どのように」取得するか確定することで一段落します。

「誰が」、「何を」、「いくら」、「どのように」取得するか確定させることが相続人のやらなければならない手続き、作業となります。
①「誰が」は 相続人の調査、②「何を」は相続財産の有無、価値の調査、③「いくら」については法定相続分は決まっていますが遺産分割協議の問題、そして④「どのように」も遺産分割協議が具体的な手続き、作業になるでしょう。

ただし、これらは遺言で決めることができます。あらかじめ遺言書に具体的に誰が、何を、いくら、どのように取得するか書いておくことでそのとおりにすることもできます。

遺言書がある場合には遺言の内容に従った相続が行われます。誰が何をどのくらい取得するかは遺言書に書かれていることが普通ですので、その内容を実現する相続となります。これを遺言相続といいます。

遺言書がない場合には民法の定めに従って相続が行われます。
相続財産を法定相続人が法定相続分にしたがって取得するのが原則です。
相続財産は何があり、誰が法定相続人かを確認・確定して遺産分割協議を経ることとなります。先に説明した作業です。これは遺言相続に対して法定相続といいます。





大まかな流れは次のようになります。

遺言書の有無の確認

相続人の調査

相続財産の調査

遺産分割協議

この流れがスムースにいけば争いのない相続になります。
それぞれの段階でいかに問題が起きないようにするかがとても重要になります。
特に何も対策しなくとも問題が起きないことが理想ですが、あらかじめ備えて俗にいう‘’争族‘’が起きないように盤石を期すことも大事だと思います。
相続財産を残すことになりそうな人は、相続財産の分け方を相続人に一任するようなことはせずに遺言書に自らの意思を明確にすることを考えてよいと思います。
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法定相続分 [相続]

誰が法定相続人か確定したら、次にそれぞれの法定相続人のうち「誰が」、「何を」、「どのくらい」相続するのかが関心事となります。

法定相続人のうち「誰が」、「何を」相続するかについては特に法律には書いてありません。これについては相続人の間で協議して決めること、すなわち「遺産分割協議」により決めることとなります。あるいは被相続人が遺言書を作って「誰が」「何を」相続するか指定する場合もあります。

「どのくらい」相続するのか?つまりそれぞれの法定相続人がどのくらいの割合で相続するのかについては民法という法律に書いてあります。これを「法定相続分」といいます。
例えば配偶者は2分の1の割合、あるいは3分の2、4分の3というように割合が定められています。

定められてはいますが、この「どのくらい」に関しても、「誰が」「何を」と同じように相続人の間で遺産分割協議により決めることもできます。必ずしも法定相続分どおりでなければならないというわけではありません。
遺言書で「どのくらい」についても指定することもできます。例えば、妻が10分の9の割合で相続するとか、妻が全部相続するとか遺言書で書いておくこともできます。

法定相続分は次のとおりです。

①配偶者と子がいる場合
配偶者2分の1、子2分の1 ※子が複数であれば2分の1を子の人数で按分する。
②配偶者と直系尊属がいる場合
配偶者3分の2、直系尊属3分の1 ※同親等の直系尊属が複数のときは3分の1を人数で按分する。
③配偶者と兄弟姉妹がいる場合
配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1 ※兄弟姉妹が複数であれば4分の1を人数で按分する。
④配偶者がいなくて子がいれば、子が全部。配偶者がいなくて子もいなくて直系尊属がいれば、直系尊属が全部。配偶者も子も直系尊属もいなくて兄弟姉妹がいれば兄弟姉妹が全部。

例1)
夫・妻・子が2人、夫の遺産総額が3000万円の場合。
妻1500万円、子750万円、子750万円
例2)
夫(既に死亡)・妻・子が2人、妻の遺産総額が1500万円の場合。
子750万円、子750万円
例3)
夫・妻・子・孫2人(既に死亡した子の子 )、夫の遺産総額が3000万円の場合。 ※代襲相続のケース
妻1500万円、子750万円、孫375万円、孫375万円
例4)
夫・妻・夫の実母、夫の遺産総額が3000万円の場合。
妻2000万円、実母1000万円
例5)
夫・妻・夫の弟・夫の兄・夫の妹、夫の遺産総額が3000万円の場合。
妻2250万円、夫の弟250万円、夫の兄250万円、夫の妹250万円
例6)
夫(既に死亡)・妻・夫の実母・妻の姉、妻の遺産総額が1500万円の場合。
妻の姉1500万円


民法に定めた「法定相続分」よりも遺産分割協議によって決める割合が優先されるとしたら、法定相続分はあくまで一つの目安、遺産分割協議がまとまらな場合に裁判所が決める場合の目安と理解してよいかもしれません。

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誰が相続人になるのでしょうか? [相続]

人が亡くなると相続が発生して相続財産が相続人に受け継がれます。難しく言うと「相続とは被相続人の死亡により被相続人に帰属していた一切の権利義務が相続人に承継されることをいう」となります。誰かの意思表示は不要であり、人が死亡したという事実だけで当然に相続が発生し、権利関係の変動が生じます。

それでは、誰が「相続人」になるのでしょうか? 大事なポイントです。
答えは「民法」に書いてあります。相続人になるのは次の人たちです。この人たちを「法定相続人」といいます。

①まず「配偶者」です。配偶者とは妻・夫のことです。戸籍の上での配偶者なので、いわゆる内縁の夫や妻は該当しません。配偶者は常に相続人になります。
②次に第一順位として「子」です。被相続人より先に子が亡くなっている場合は孫であったり曾孫が相続人になります。これを代襲相続といいます。
③子、孫などがいない場合には、第二順位の「直系尊属」が相続人となります。父母や祖父母です。被相続人から親等が近いほうが優先されますので、父母と祖父母がいる場合には父母が優先されます。父も母もいなければ祖父母が相続人になります。
④直系尊属もいない場合には第三順位の「兄弟姉妹」が相続人になります。兄弟姉妹の場合にも代襲相続はあります。兄弟姉妹の子、つまり被相続人の甥姪までは代襲相続人になることがあります。代襲相続は甥姪までに限り認められています。甥姪の子、さらにその下は代襲相続人にはなりません。

以上のどれにも当てはまらず、相続人になるものが誰もいないときには、通常は相続財産管理人が選任されて法律に従って適正に相続財産を処分することとなります。

誰が「法定相続人」に該当するかは、身内の方であれば大体把握できるのが普通ですが、正確を期すためには、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本をすべて取り寄せて調査することが必要です。

遺産分割協議は相続人全員で行わなければ無効です。特に遺産分割協議を行うとき(不動産の名義を変えるには遺産分割協議が必須です。また銀行預金をおろすにも遺産分割協議をしたほうがスムースに行えます。)には誰が法定相続人なのかは重要ですので調査は必ず行ったほうがよいでしょう。

遺産分割協議については別の機会に改めてご説明します。
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相続は簡単でしょうか? [相続]

「相続」という言葉はなじみのある言葉ですが、実際に当事者となって相続を経験したことがある人はそれほど多くはないでしょう。近しい親族がお亡くなりになったときに「相続人」として「相続」にかかかわることとなりますが、それは何回も繰り返し経験するものでもありません。人生で一回か二回経験するくらいのものでしょう。回数は少なくとも誰でも必ず経験するのが「相続」だといえます。その意味では相続の知識を知っておくことは有用でもあります。

簡単に言うと「相続」とはお亡くなりになられた人が生前持っておられた財産と負債の一切を別の人が承継すること、つまり引き継ぐことです。
亡くなられた人を「被相続人」、引き継ぐ人を「相続人」といいます。
原則として土地、建物、現金、預貯金、有価正面等のプラスの財産だけではなく、銀行借入れ、その他の借金、保証人としての債務、その他の支払債務、すなわちマイナスの財産もすべて引き継ぐこととなります。
被相続人が個人で事業を行っていた場合(株式会社や有限会社などの会社ではなく、個人事業主として事業を行っていた場合)には、事業上の資産と負債も相続の対象となりますので特に注意が必要です。事業上の負債は一般的には何百万、何千万、あるはそれ以上の多額になる場合も珍しくありません。

相続は簡単に見えるかもしれませんが、難しい問題も多く含まれてきます。
相続の事案は千差万別であり事案の数と同じ数の多種多様な問題が含まれているといっても過言ではありません。
相続は相続人の権利義務関係を大きく変化させかねません。判断を誤ると思わぬ不利益を被ることもあり得ます。相続の問題に直面した時には注意深く対処し、専門家に相談しましょう。
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