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自筆証書遺言 [遺言]

遺言を残そうとしたら、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言のいずれによることとなります。それぞれに長所と短所があります。それらを理解したうえでどの遺言書にするか選択しましょう。
それでは順番にみていきたいと思います。まず最初に自筆証書遺言です。

<自筆証書遺言>
長所
1 簡単に作れる
2 費用がかからない
3 1人で作成できる
4 内容を秘密にしておける
5 思い立ったらすぐ作れる
短所
1 方式を間違えてもチェックしてもらえない 
2 内容に曖昧なところや解釈の余地を残すと争いのもとになりかねない
3 紛失のおそれ
4 他人が容易に隠匿、毀損、変造することができる
5 遺言書があっても遺族に気づかれないおそれ
6 検認手続が不可欠である

自筆証書遺言は文字どおり自筆で書く遺言書です。自分が書くだけなので、その意味では簡単に作れますし、ボールペンと紙さえあればよいので費用もかかりません。1人で書いて作ることができるので思い立ったらすぐに作れます。
ただし簡単に作れるだけあって守るべき方式は厳格です。次の方式は必ず守らなければなりません。
・遺言書の全文を自分の手で自筆で書くこと。

・日付を自筆で書くこと。

・氏名を自筆で書くこと。

・氏名の横もしくは下に押印すること。

ひとつでも不備があると遺言書は無効になります。つまり遺言書の効果はなく最初から遺言書が存在していないのと同じこととなります。
自筆証書遺言は自筆で書かなくてはなりません。必ず自分でペンを持って紙に書いてください。
自分の手に誰かの手を添えてもらって書いた場合は自筆ではなくなります。原則無効です。
全文を自筆で書くのですから、一部を他人が書いたら原則遺言書全てが無効です。
ワープロで書いたら自筆ではありません。録画録音も自筆ではありません。
日付も必ず自筆で書いてください。
「〇年〇月〇日」と書いてください。
例えば、「還暦を迎える日」「誕生日」という書き方をしても日にちを特定できるので有効と言われていますが、わざわざそのように書く必要もないのですからきちんと日付を書いてください。
氏名は戸籍謄本に記載されているとおりに書いてください。芸名、通称、屋号でも特定できれば有効とされていますが、無用な心配を避けるため氏名をきちんと書いてください。 
押印も三文判でよいとされていますができれば実印のほうが無難です。
用紙が複数になったときは綴じ合わせて契印するのがベストです。綴じ合わせや契印がなくても全てが一体ねものと理解できるものならば問題ないのですが、無用な心配を避けるためにはひと手間かけて綴じ合わせて契印したほうがよいです。
自筆証書遺言は簡単に作れますが、方式、筆跡、内容の点で将来予期せぬ争いが起きることもあり得ます。
保管にも注意しないと亡くなった後に遺言書があることに気がつかれなかったり、隠匿、毀損、変造されることもあり得ます。
自筆証書遺言は簡単につくれますが、細心の注意が必要にもなります。

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