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遺言書に書けること [遺言]

遺言書には「誰に何をどのくらい引き継がせるか」を書くことが基本になります。例えば「妻に土地と建物を相続させる。長男に〇〇銀行の預金を相続させる。次男に現金〇〇円相続させる。」というものです。

法律では遺言書に記載できる事項は決められています。これを「法定遺言事項」といいます。「誰に何をどのくらい引き継がせるか」は法定遺言事項に含まれるものです。ですので遺言書に記載したらその効果は法的に保護されます。


法律で決められている事項以外も遺言書に記載することはできますが法的効果はありません。ただ、だからと言って記載することが全く無意味だということではありません。遺言者の気持ち、思い、考え方を伝えるために遺言書に記載することもあります。このように法的効果は与えられませんがあえて遺言書に記載する事項は「付言事項」といいます。

法定遺言事項
主な法定遺言事項には次のものがあります。
①遺贈 ※法定相続人以外に引き継がせる場合
②信託の設定
③相続分の指定とその委託 ※誰にどのくらい引き継がせるか
④特別受益者の相続分に関する指定
⑤分割方法の指定とその委託 ※誰に何を引き継がせるか
⑥分割禁止
⑦共同相続認可の担保責任指定
⑧推定相続人の排除、その取り消し
⑨認知
⑩後見人・後見監督人の指定とその委託

その他、遺言執行者の指定、祭祀主催者の指定、生命保険金受取人の変更も遺言書に記載して行うことができます。
認知や推定相続人の廃除は事実関係が単純でないため遺言で行うと亡くなった後相続人間で問題視される可能性もあります。そうであれば、できる限り遺言によらず生前に行っていたほうがベターだと思います。

法定遺言事項について詳しくは次の機会に。

付言事項
付言事項とは遺言書に記載して法的効力はない事項です。
遺言者は遺言内容を熟慮して、遺言書という形でしっかりと自らの意思を妻や子、その他お世話になった人たちに伝えるわけです。そうした思い、考えというものは法定遺言事項だけできちんと伝えきれるものではないかもしれません。そこで遺言書に併せて記載しておくのです。
なぜそのような内容の遺言書にしたのかを思いを込めて記載するのがよいでしょう。
法的効果がないからと言って付言事項を軽んじてはいけません。
それは残された人たちに伝える思い、考えでありますが、残された人たちはそれを一方的に受け取るだけです。誤解されて受け取られてしまったらそれを修正することは不可能です。
付言事項は遺言者の思い、考えを伝えるための重要な方法です。その内容次第でスムースな相続が実現することもあるし、反対に争族を引き起こしかねないこともあります。
付言事項は法定遺言事項と同じくらいかそれ以上に熟慮に熟慮を重ねることが大事です。



タグ:遺言書
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