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付言事項について [遺言]

付言事項の内容は特に制限ありません。何を書いてもかまいません。
ただ常識的な内容でないと場合によっては遺言書全体の効力に疑義が生じてしまうこともありえます。常識の範囲内であれば大丈夫です。

どのような付言事項を書くのが多いのでしょうか
・遺言書の内容がどうしてそのような内容になったのか理由や経緯を書く。
遺言の内容を決めるとき何を考えて何を重視して決めたか理由があると思います。財産を受け継ぐ人たちにその理由を伝えることで理解され、その内容を素直に受け入れてもらえることが期待できます。
法定相続人に法定相続分だけ相続させるのであれば、比較的素直に遺言内容を受け入れることができますが、もしもそうでなく特定の財産を一部の人に相続させたり、法定相続分より多くあるいは少なく相続させる内容であったり、さらに法定相続人でない者に遺贈するときには、なぜそのようにしたのか理由の説明があってもよいと思います。その一つの方法が付言事項です。
例えば、年老いた妻の老後を案じて妻に多く財産を受け継がせるという理由、自宅を売却したくないので同居していた長男に自宅の土地建物を相続させる等です。
ただし、いきなり遺言書にいろいろなことが書かれて、遺言書を通じて初めて遺言者の気持ちや考えが相続人らに伝えられても相続人は戸惑うこともあります。
理想を言えば、生前に少しずつ相続人らに自分の思いや考え方を伝えておくことも大事かと思います。

・事業承継の場合に事業の後継者に心構えを伝え、周囲の者に理解を求める内容を書く。
事業承継の場合には後継者に遺言者の個人名義の資産であっても事業に供している財産や株式を引き継がせる必要があります。必然的に後継者とそれ以外の者では相続する財産の内容に大きな違いが出てきます。その理解を周囲の者に得る必要があります。
事業用資産や株式を後継者に集中できずに複数の相続人に分散されてしまうと経営の安定性を欠きときには事業の停止につながりかねません。
事業承継問題になると付言事項だけで対応できる問題ではありませんので付言事項はあくまで補助的意味合いをもつものになります。

・家族や友人に感謝の気持ちを述べ、皆が助け合っていくことを心を込めて書く。
相続が‘’争族‘’になることを望む人はいません。最後に残すメッセージとして心を込めて力強い言葉を書いてみるのはいかがでしょうか。大げさなことを言えば身はなくなっても魂は皆の心に残る、そんな付言事項を書いてみましょう。

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