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④分割方法の指定とその委託 [遺言]

「分割方法の指定」とは例えば次のようなものです。

・遺言者の所有するA土地は長男〇〇が取得する。
・遺言者の所有するB土地は次男〇〇が取得する。
・長男〇〇が取得する土地の価額が次男、三男の取得する遺産の価額を超えるときは長男〇〇は代償 金を支払うものとする。

分割方法の指定とは、相続人間の遺産分割協議において具体的に誰がどの財産を取得するかをあらかじめ被相続人が遺言で指定することです。
相続人はこの分割方法の指定を尊重して、その内容に沿った遺産分割協議で合意することが期待されます。
遺産分割協議が成立して初めて各人が財産を取得することとなります。
仮に相続人が分割方法の指定と異なった遺産分割で合意したときにはそれが有効になると解されています。

上の「代償金を支払う」というのは法定相続人がそれぞれ法定相続分を取得するように配慮したものです。例えば長男が7000万円の土地、次男が3000万円の土地、三男が2000万円の土地を取得する場合、長男が次男に1000万円の代償金、三男に2000万円の代償金を支払うこでそれぞれが4000万円分の取得となり公平になります。

遺産分割方法の指定の委託は、第三者に遺産分割の方法の指定を委託することです。 
例えば、「弁護士の〇〇に遺言者の遺産の分割の方法を指定することを委託する。」という遺言です。
“相続人の一人”に遺産分割の方法の指定を委託することは指定の公正が期待できないから無効と解されています。

上の例のように、遺産分割の方法の指定をするときには、「取得させる」と表現することが一般的かと思います。
遺言書の作成では、ほかに「相続させる」、「遺贈する」との表現を使うときもあります。

「取得させる」、「相続させる」、「遺贈する」については次回説明したいと思います。

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